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これからの法改正の動き

担保不動産の迅速な処分を図る任意売却手続きの改正

 自民党の司法制度調査会は、担保不動産の処分に関しての改正を検討しています。
 担保不動産を換価して債権者の配当に充当する場合、裁判所による競売手続きを取ることになります。一方、債権者の同意を得て売却し、代金を配当に充てることを任意売却といいます。
 今回検討されているのは、任意売却に係る「債権者全員」の同意を得ることなく任意売却ができる制度を設けようというものです。
 以下では、現行制度の問題点と新制度の概要をみてみましょう。

現行制度の仕組みと問題点
 競売の前に担保不動産を売却する任意売却は、銀行等の民間仲介業者が間に入って担保不動産を売却する仕組みです。任意売却をすることによって、裁判所による競売にかけるよりも、結果的に処理期間が短縮できるため債権回収のリスクが軽減できることがメリットになります。
 ただし、現行の任意売却制度では、債権者(担保権者)全員の同意を得るまでは売却できないという問題があります。
 地価動向が不安定な状況下では、こうした制約があるために売却手続きの期間中に不動産の価格が下がるような例も見られます。また、債権者全員が同意するまでの時間的なロスやなかなか同意しない一部の債権者が同意の条件として法外な金銭を要求するといった問題も生じています。

処分の迅速化を目指す新制度
 新制度では、現行制度の問題点を踏まえ、次のような改正が示されています。

  1. 大半の債権者が任意売却に同意しているにもかかわらず、一部の同意を得られないケースでは、所有者や同意した債権者が、裁判所に抵当権抹消の許可申立てができる
  2. 不同意の債権者が、裁判所に対して一定期間内に次の申立てをしない限り、裁判所が任意売却を認める
     ・不同意の債権者自らの担保権に基づく競売
     ・独自の売却先の申出
 新制度では、このような改正を通じた担保不動産の迅速な処分とともに、民間主導の任意売却を促し、裁判所による競売件数を減少させて競売手続きの迅速化を図る目的を持っています。現行制度の競売申立てから売却までの期間は6か月とされ、米国並みの3か月を目指す模様です。
 ただ、現行の裁判所の競売制度による処分から、より簡便な非司法的な処分が広がった場合に、従来から競売妨害などで担保物権の私益化を図ろうとしてきた暴力団関係者の介入を招く可能性があると指摘する法律家もいます。
 同調査会は、関連法案の次期通常国会への提出を目指すとしています。

注目したい法改正の動向

◎ 残業割増は着き60時間超から
 労働基準法の改正法案は、「月80時間超」の時間外労働に対して現行割増率の25%から50%への引上げを盛り込み、昨年の通常国会に提出されていました。
 与党は50%以上の賃金割増を義務づける時間外労働時間を、「月60時間超」に変更する改正法案の臨時国会提出を検討しています。
 ことしの通常国会でも変更前の労働時間で継続審議されていましたが、「月80時間超」は長過ぎるとの与党内の声に応じての変更とされています。
 労働側は、一貫して割増対象となる時間外労働時間(基準)の大幅な引下げを要求していますが、経営側は難色を示し、平行線をたどっていました。
◎ 二酸化炭素排出量をラベルに表示
 経済産業省は、果汁飲料水、菓子等の食品や洗剤などの製造過程で排出した二酸化炭素(CO2)の量を包装パッケージ等のラベルに表示する「カーボンフットプリント(炭素の足跡)」の指針の策定を検討しています。
 原材料の飼育・栽培などの段階から製造、販売、廃棄の各段階においてCO2の排出量を算定し、商品のラベルにグラム数で表示するというものです。
 同省の「カーボンフットプリント制度の実用化・普及促進研究会」において、来春までにまとめるとのことです。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売

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